1966年に「週刊少年マガジン」に連載が始まった「巨人の星」は、主人公の星飛雄馬が巨人の川上哲治監督、長嶋茂雄、王貞治らに励まされてエースとして試練を乗り越えて成長する物語。これまでの「野球漫画」とは一線を画するリアリティのあるストーリーだったが、全国の野球少年は、自身を星飛雄馬になぞらえて長嶋や王のいる巨人の一員として野球をすると言う「夢」を見たのだ。
長嶋茂雄は「プロ野球のステイタス」「放映権ビジネス」など、大人のシビアな世界にも大きな影響を与えたが、同時に子どもたちに「夢」を与えた。よく言われるように昭和の野球少年は、銭湯の下足札の「3番」を求めて争ったのだ。
2021年、長嶋茂雄に野球界初の「文化勲章」が授与されたのは、まさに野球、スポーツを超えた長嶋茂雄の影響力、貢献度によるものだと言えよう。
長嶋茂雄と大谷翔平の共通点
長嶋茂雄に「憧れ」「夢」を抱いたのは、長嶋の現役時代を知る60歳より上の世代だ。今はそんな存在はいない、と思ったら、大谷翔平が出てきた。彼の舞台は日本ではなくアメリカ、世界に広がっているが、その痛快な活躍と、爽やかな言動は、タイプこそ違えど長嶋茂雄をほうふつとさせるものだ。
今春、大谷翔平と長嶋茂雄が出演するCMが放映されたが、半世紀以上の時を超えて、最後の最後に二人が親交を深めたのは、本当によかったと思う。
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