パナと日本サッカーを牽引する! 「ガンバ大阪」新社長が《売上高100億円クラブ》の先に見据える野望の"源泉"

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「幸之助さんの理念というのはクラブにもありますし、『お客様』という言葉も自然と出てきます。僕自身、ガンバの社長就任とはまったく関係ないときに松下幸之助歴史館を3回ほど訪ねていますが、学ぶことが多いですし、心から尊敬の念が湧いてきます。

パナソニックグループには20万人超の人材がいると聞いていますが、その中の1クラブとして何ができるかも考えていかないといけない。ガンバからは世界で戦うトップ選手も出ています。そのマインドや姿勢がビジネスパーソンにも通じるところがあればいいですし、それを体現していければ理想的ですね」

「おしゃれ」「カッコよすぎる」と話題のパナスタのロッカールーム ©GAMBAOSAKA

Jリーグ創設のレジェンドたちとの浅からぬ縁

神妙な面持ちでこう語る水谷社長。彼には、Jリーグを作った1990年代の日本サッカー界の幹部だった長沼健氏、岡野俊一郎氏、川淵三郎氏(現JFA相談役)らに報いたいという切なる思いもあるという。

2002年W杯組織委員会が成功裏に幕を閉じた後、当時のJFA・岡野会長から「次はお前の番だからな」と実際に言われたことは、今も脳裏に焼き付いて離れない。当時のカリスマたちが血のにじむような思いをして作り上げたJリーグ、W杯常連になった日本代表は決して当たり前の存在ではない。

その重みを誰よりも痛感している人間がガンバというビッグクラブのリーダーになったことは、ある意味、偶然ではないだろう。

「僕らがいる環境は『当たり前』じゃない。夢を持っている人たちが本気で夢に向かって取り組んだからこそ、Jリーグという舞台で仕事ができている。そのことに感謝しながら、みんなで一丸となって突き抜けるクラブを作っていきたいと思います」

水谷社長の飽くなき情熱がガンバをどう変化させていくのか。差し当たっては、今季のJ1で順位を上げていくことが、その一歩となる。昨季に準優勝まで勝ち進んだ天皇杯も残っているし、ACL2もある。手にできるタイトルはすべて取るという貪欲さをクラブ全体に伝播させられるかが試される。

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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