国語や数学などの基礎的な必修科目を取った後の大山さんは、ひきこもりの期間にパソコンを触ることに興味を持ったため、その強みを生かすために情報通信系の選択科目をたくさん取っていました。
授業の様子は、不良学生が授業妨害をするほどではありませんでしたが、非常に騒がしく、先生の話が聞き取りづらくて勉強の妨げになったこともあったそうです。
また、定期試験はあったものの、「夏休みや冬休みの課題は何もでなかった」と当時を振り返る大山さん。学校から家に戻って空いた時間は、受講していた情報通信系の授業で学んだことを生かして、ホームページや、人気野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』シリーズの攻略サイトを作ったりしていました。
大学受験を意識した大きなきっかけ
こうして高校生活前半までは自身の興味に打ち込んでいた大山さんでしたが、高校2年の夏手前、不良学生に校舎裏に呼び出されたことで自身の将来に大きな危機感を抱きはじめます。
高校1年のとき、大山さんに初めて彼女ができたものの、数カ月で別れてしまいます。その別れた彼女がのちに付き合った学生が不良学生で、前に付き合っていた大山さんに因縁をつけて暴行を加えようとする事件が起こりました。
幸い、同級生が先生に通報して未然に防ぐことができましたが、この事件をきっかけに「いい環境に行かないと、将来的に身に危険が及ぶ可能性が高くなる」と考え、受験勉強を開始したそうです。
授業は相変わらず騒がしくて聞き取りづらいままでしたが、大学と同じように単位制・選択制の授業であったために自由に席を選べたことが奏功して、積極的に雑音の聞こえにくい前の方の席を選んで授業を聞いたり、座学系の授業中には片手間で予備校の課題や復習を淡々とこなしていました。
短大・専門学校・就職が多かった学校ということもあり、4年制大学に進学する人が1割未満の中で孤独に勉強を続けた大山さん。ずっと孤立無援の状況ではありましたが、先生が干渉することもあまりなかったことも大山さんにとっては、合っていたようです。
2年ほど自分の勉強を粛々と進めた大山さんは、偏差値60以上の関東の名門大学群の1つに合格し、高校を無事に卒業しました。
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