「本書が絶筆になるのは間違いない。 それでも"このことだけ"は言いたい」森永卓郎さん(享年67)が最期に記した「資本主義が行き詰まる4つの理由」

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④ 「ブルシット・ジョブ」「シット・ジョブ」が蔓延する

創造性のかけらもなく、ただ肉体と時間を生産性に捧げる仕事が増えている。

「人口の一極集中」の弊害

実感のある方もいらっしゃるだろうが、現在の日本社会では、すでにこの4点は限界値を超えるほど深刻化しているのである。

また、ここに「人口の一極集中」の弊害も加えるべきだと森永さんはいう。

たしかに東京都心の「地価バブル」は異常であり、都会では教育費も急騰している。その一方、地方の不動産は悲惨な状況だ。

そうした現実こそが、グローバル資本主義に取り込まれた日本の東京都市圏の実態だということである。

この状況を脱却するには、グローバル資本主義から抜け出さなければなりません。
日本社会はグローバル資本主義に取り込まれたままでも、個人としてはそこから脱却する生き方をしなければ幸せな生活はつかめない。(32ページより)


 だとすれば、自分自身の生活をグローバル資本主義から脱却させるためにはどうしたらいいのだろうか? 

この問いに対する答えとして、森永さんは都心から1.5〜2時間圏の「トカイナカ」と呼ばれるエリアへの移住を挙げているのである。

このエリアに移住すれば、生活コストは想像以上に下げることができます。
経済面だけでなく、自然に囲まれて生活に潤いを持たせることができ、働き方を変えて生きがいを感じながら生活することもできるはずです。(33ページより)

*この記事の続き:森永卓郎さん(享年67)の最終結論「"私たち日本人の生活"をグローバル資本主義から脱却させる唯一の方法」

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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