森永さんが、財務省批判を筆頭とする“この国のタブー”に斬り込み続けてきたのは有名な話だが、その姿勢は本書でも貫かれている。
ノンフィクション作家の神山典士さんとの共著という形で(神山さんが数度のインタビューを行い、森永さんから多くの資料と原稿を受け取って構成・執筆された)「生き方と働き方をリセットしよう」と訴えかけているのだ。
グローバル資本主義に搾取されている「ブルシット・ジョブ」(社会になんの影響ももたらさず、働く当人も意味がないと感じている仕事)から逃れ、「真の労働の悦び」を取り戻し、自分で生き方を選択できる「トカイナカ」で生きよう」と。
いうまでもなくそれは、1985年以来、埼玉県のトカイナカでの暮らしを実践してきた方ならではの主張である。
もちろん私はいつ死んでもおかしくない。本書が絶筆になるのは間違いない。
それでもこのことだけは言いたい。
ブルシット・ジョブを続けるのは、もうやめよう!
グローバル資本主義にとりこまれた人生は、「生きながら死んでいる」ようなもの!
生きているなら、真実を見極めよう!
生きているなら、自分の意思で「好き」と「嫌い」をはっきり言おう!
生きているなら、自分自身の幸せを追求しよう!
グローバル資本主義にとりこまれた人生は、「生きながら死んでいる」ようなもの!
生きているなら、真実を見極めよう!
生きているなら、自分の意思で「好き」と「嫌い」をはっきり言おう!
生きているなら、自分自身の幸せを追求しよう!
(「まえがき 私が『東京一極集中経済』との決別に踏み切った訳――森永卓郎」より)
東京一極集中の限界
森永さんが主張しているのは、誰もが東京へ向かおうとする「一極集中」の流れに逆行して「地方分散型社会」を目指し、地方に生きるという選択の重要性だ。ただしそれは、たんに生活拠点を郊外に移すだけという意味ではない。
それは、現在この国と世界を席巻している「グローバル資本主義からの決別」を意味しています。
私はいまの日本社会の行き詰まり感や閉塞感の元凶は、日本と世界を覆っているグローバル資本主義だと思っている。
だからこの現状を打破するには、グローバル資本主義を捨てるしかない!(24ページより)
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