ハリウッドどうした!?日本をはじめとするアジア諸国の台頭で、変わる「映画の勢力図」を業界誌記者が解説

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それから2000年に入って、ワーナー ブラザース ジャパンなどの洋画メジャーの日本法人(支社)が、日本映画を製作出資するようになりました。

代表的な1本は、ワーナーの『デスノート』(2006)です。日本のテレビ局や制作会社とパートナーズを組んで、日本の人気漫画を実写映画化し、ワーナーの配給網で日本公開。藤原竜也主演『デスノート』、続く『デスノート the Last name』が大ヒット。松山ケンイチ主演のスピンオフ作品『L change the WorLd』も続きました。

人気漫画を実写映画化

ワーナーはこの成功体験から邦画への製作出資を続け、同じく人気漫画を実写映画化し、2012年に公開した佐藤健主演『るろうに剣心』も大ヒットを記録。北野武監督『アウトレイジ ビヨンド』(2012)、アニメの『劇場版銀魂』『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』などもヒットしました。

さらに『はたらく細胞』(2024)ではワーナーが製作・配給した邦画の興収歴代1位を達成しています。

映画ビジネス
『映画ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

興収10億円以上をあげる邦画への製作出資と配給を続け、松竹、東宝、東映とは異なるラインで、若い観客層を掘り起こすとともに、才能ある監督や若手キャストを起用して日本映画の底上げを図っています。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントも2015年に『新宿スワン』がスマッシュヒット。

東宝と共同配給した『キングダム』が大ヒットを記録するとシリーズ化され、2022年公開の『キングダム2 遥かなる大地へ』、2023年公開の『キングダム 運命の炎』とヒットを続け、2024年公開の『キングダム 大将軍の帰還』はシリーズ最高の成績をあげました。4本で興収245.2億円を記録する大ヒットシリーズとなっています。

和田 隆 映画ジャーナリスト、プロデューサー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わだたかし / Takashi Wada

1974年東京生まれ。1997年に文化通信社に入社し、映画業界紙の記者として17年間、取材を重ね、記事を執筆。邦画と洋画、メジャーとインディーズなどの社長や役員、製作プロデューサー、宣伝・営業部、さらに業界団体などに取材し、映画業界の表と裏を見てきた。現在は映画の情報サイト「映画.com」の記者のひとりとして、ニュースや映画評論などを発信するとともに、映画のプロデュースも手掛ける。プロデュース作品に『死んだ目をした少年』『ポエトリーエンジェル』『踊ってミタ』などがある。田辺・弁慶映画祭の特別審査員、京都映画企画市の審査員も務める。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事