ハリウッドどうした!?日本をはじめとするアジア諸国の台頭で、変わる「映画の勢力図」を業界誌記者が解説

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さらに、ユーザーはオーディオやビデオコンテンツのプレイリストを簡単に作成することができるので、ミレニアル世代(1980年代前半から1990年代半ばまでに生まれた人々)に訴求することができれば、市場の拡大につながるとしています。

中国、韓国、インドなどの国々でモバイルやネットの利用が増加していることも市場拡大に貢献しており、アジア諸国の急速な成長と需要の増加が期待されます。ネットやテレビなど複数のチャンネルで視聴者が利用できることによって、新しい才能の普及も促進されてきました。

アメリカは長い間、世界のコンテンツ市場に君臨してきましたが、ヨーロッパ諸国では、アメリカの巨大なコンテンツ産業から自国の産業と文化を守るために、製作や人材育成に補助金を交付するなど支援を続けています。

アジアでも、日本のコンテンツの流入を制限しながら、自国の文化を守ることを目的に、人材育成や投資などで国が積極的な支援活動をしている国もありますが、お隣の韓国では、コンテンツ産業を国家戦略として振興していて、日本とアジア諸国間のコンテンツ貿易は活発化しています。

中国の映画市場は拡大

日本の映画市場は、2000年以降ほぼ年間興収2000億円前後で推移していますが、中国の映画市場は拡大を続け、アメリカに次いでそれまで世界第2位だった日本を2012年に抜きました。

2014年には約5700億円、2015年には8000億円を突破し、コロナ禍の2020年に遂にアメリカ映画市場を抜いて世界第1位に躍り出て、2021年も第1位をキープしました。

コロナ禍が収束していくと2022年はアメリカが第1位に返り咲き、日本も興収2131億円で第3位を守っていますが、4位のインドとは僅差。アメリカは2009年から2019年まで11年連続で興収100億ドルを突破していましたが、2023年は約89億ドルに留まりました。

ちなみに、コロナ禍前の統計になりますが、2017年の映画の年間製作本数はインドが1986本で1位、中国が874本で2位、アメリカが660本で3位、そして日本が594本で4位でした。

中国と同じ人口10億人を超えるインドが、製作本数では“映画大国”となっています。

なお、インド映画といえば2022年10月に日本公開された『RRR』が大ヒットし、インド映画ブームを再び巻き起こしましたが、インド映画がすべて“ボリウッド映画”ではないことは皆さんご存じでしたでしょうか。インド映画は、制作拠点と使用されている言語によって異なるのです。

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