日本、ついに「1人当たり」でポーランドにも抜かれる!?日本大好きエコノミストが語る"日本がこれから生き残るため"の《たった1つの方法》

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が、経済学者のマシュー・ログリーが企業の所得を詳細に分解した結果、この乖離はほぼすべて“土地価値の上昇”によって説明できると判明した。つまり、アメリカの土地の価値は、何らかの形で資本所得に計上されており(家賃収入など)、それが乖離の原因となっていた、というものだ。この3つの点を修正すると、賃金と生産性には乖離がなくなる。

カッツ:しかし、経済協力開発機構(OECD)はそうは言っていない。OECDは今でも、生産性と賃金の乖離について継続的に報告を出している。これはEPIの誤解だけで片づけられる話ではない。

日本企業が「お金を貯め込んでいる」大問題

スミス:日本企業が現金を溜め込んで使っていないというのには同意する。実際に起きたことは、企業は投資にお金を回すのではなく、銀行からの借入れをやめたことだ。現金を手元に置いておくか、内部留保からやりくりするようになっただけだった。

現金を貯め込むという行為自体が大きな問題だ。基本的に、金融システムというのは、“小さな企業が大きく成長するための資金供給”に向けてお金を流すべきで、企業もその現金を投資に回すべきだが、では、日本のように人口が減っていく市場で投資をする気になるか?

もちろん、生産性を高めれば、購買力や賃金が上がって経済全体の力も増すだろう。だが、それは人口が減っていく中でのわずかな調整にすぎない。

移民という選択肢もある。が、移民が人口を増やす効果は直線的で、人口減少は指数的だ。問題は、移民も年を取るということ。移民によって総人口を増加させることはできても、年齢構成を変えるという点での影響は限定的だ。各国とも出生率を上げる方策を練っているが、根本的な解決策は見つかっていない。

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