日本、ついに「1人当たり」でポーランドにも抜かれる!?日本大好きエコノミストが語る"日本がこれから生き残るため"の《たった1つの方法》
そして結局、政府の財政赤字に頼ることになり、金利はどんどん下がっていく。日本はもう四半世紀にわたってゼロ金利を続けている。多くの国で、“生産性の成長”と“賃金の成長”の間にギャップがあるが、日本のそれはとてつもなく大きい。

日本では、この25年間、実質賃金の平均がゼロ成長状態にある。正社員だけに絞って見ても、成長率はほんの数%に留まる。結果的に、人々がモノを買えない→需要が低迷→経済が不安定→財政赤字が慢性化という流れになっている。
一方で企業は内部留保が増えているにも関わらず、何もやっていない。株主に還元させる金融システムもなければ、労働者による運動も脆弱で賃金にも回されない。
賃金の問題を解決できれば、日本のマクロ経済は安定するし、マクロ経済が安定すれば、平均的な成長率も上がる。今みたいに好況と不況の繰り返しになるのではなくてね。
間違った認識が広がっている?
スミス:その点についてはちょっと反論したい。「賃金が生産性に追いついていない」という主張――これは実は間違っている。ただの小さな間違いとか、ニュアンスの違いっていうレベルじゃない。かなり大きく間違っていて、誤った神話が広まってしまったんだ。
アメリカのシクタンク、経済政策研究所(EPI)が誤解を招くようなグラフを発表して、それがバズって今ではミーム的に扱われるようになってしまった。
実際に、生産性と賃金が乖離しているように見せるために彼らは2つのことをした。1つは、2つの系列で異なるインフレ率を使用した。つまり、異なる物価を基準に測定しており、これは会計上の誤りだ。後日、その誤りを修正し、乖離が縮小したグラフを発表している。
2つ目には、平均生産性と中央値賃金を比較した。平均値同士で比較すれば乖離は非常に小さいレベルにまで縮小する。それでも乖離が残るのは、企業の利益のほうが、労働所得よりも速く増えているからだと言われている。
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