日本、ついに「1人当たり」でポーランドにも抜かれる!?日本大好きエコノミストが語る"日本がこれから生き残るため"の《たった1つの方法》

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が、実際には外国企業は文化的な問題もあって日本人従業員をうまくマネジメントできないことが多い。数少ない本国からの転勤者も日本企業のローカル文化の中で迷子になってしまう。

そして、M&Aではあまりいい企業文化を持っていない企業が狙われやすい。だから、数人の本国社員が来たところでそれを根本的に変えることはできない。結果的に、M&Aによる投資では技術移転があまり起きることがない。M&Aが日本国内市場での販売などを目的としているならなおさらだ。

日本は「輸出が得意ではない」という事実

スミス:FDIには国内市場向けと、輸出向けの違いがあるという点も今まであまり議論されてこなかったが、これは重要なポイントだ。

日本のマクロ経済統計を見ると、わかることがある。それは、実は日本は輸出が得意な国ではない、ということだ。「日本は輸出大国だ」というステレオタイプがあるけれど、それは事実ではない。

高度経済成長期、1980年代、1970年代、どの時代でも、 日本の輸出はGDPの15%を超えたことがない。足元では円安によって上昇しているが、韓国では5割近くなのを踏まえると、日本の水準は低い。

国内市場が縮小している中で、日本はもっと”輸出志向”にならないといけない。M&Aであれ、グリーンフィールド投資であれ、最終的な目標は輸出を増やすことにすべきだ。ただ輸出に向いたFDIはグリーンフィールド投資のほうが多い。

カッツ:貿易が非常に有益な理由の1つは、他者のアイデアに触れられるだけでなく、競争にもさらされることにある。競争は、コーポレートガバナンス強化よりも、企業が業績を改善させなければならない原動力になる。

ーーカッツさんは日本の低賃金を問題視していますね。

カッツ:経済を安定させるためには、“労働者が1時間当たりに生み出す価値”と、“その労働者が受け取る実質賃金”が、長期的には同じペースで伸びなければならない。これがずれてしまうと、経済はどんどん不安定になっていく。モノやサービスを買える人がいなくなってしまうからだ。

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