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アリゾナ工場に巨額投資 「TSMC」が抱える苦悩。高コストのアメリカに“5欠”の台湾……

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追加投資発表時にTSMCのC. C. ウェイCEOはホワイトハウスで共同会見を開いた(写真:Doug Mills/The New York Times)
ここ数年、好況に沸いてきた半導体業界が曲がり角にさしかかっている。本特集ではトランプ関税の影響や変調を来すAI投資の動きを追った。

「グローバリズムと自由貿易はほぼ死んだ。また復活すると多くの人が願っているが、そうなるとは私は思わない」

2022年、台湾の半導体製造受託(ファウンドリー)大手・TSMC創業者であるモリス・チャン氏が米アリゾナ工場開設の記念式典の場でそう発言した。チャン氏の言葉は現実のものとなり、TSMCの苦悩は今深まっている。

背景にCHIPSプラス法の存在

TSMCは今年3月、アリゾナ州での1000億ドルの追加投資を発表した。同社はすでに21年からアリゾナに進出し、これまでに3工場の建設を段階的に進めてきた。第1工場はすでに稼働している。今回の発表は、新たに3工場の追加に加え2つの先進パッケージング施設、1つの研究開発センターを建設するというものだ。

米国史上最大の外国直接投資となるこの追加投資によって、TSMCのアリゾナ拠点への総投資額は1650億ドルに達する。投資の発表を受けて、トランプ米大統領は「世界で最も強力なAIチップは、まさにここ米国で作られることになる」と歓迎の意を示した。

TSMCのC・C・ウェイCEOは、アリゾナでの追加投資について「すべての顧客と話した結果、米国の顧客からの需要が極めて強く、現行の拡張計画では応えきれないと判断した」と説明する。ただトランプ氏は、「『もし米国に工場を建設しなければ、高い関税を払うことになる。25%、あるいは50%、75%、100%かもしれない』と言っただけだ」と圧力をかけたことをほのめかしている。

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