子猫のかたわらに「おねがいします」の一言と3万円――置き去り主の責任はどうなる?相次ぐ猫や犬の遺棄と《法的リスク》
「置き去りにする前に相談してくれれば、警察に通報しなくてすんだのに」と筆者が言うと、ボロボロと涙を流して謝罪を繰り返したのでした。処罰は望まず、2度とそのようなことがないよう飼い主の「責任」を理解してもらいました。
飼い主の責任と「飼うために必要なこと」
犬や猫などの動物も、私たち人間と同じ「命」ある生き物です。「心」もあります。飼う人の都合で命を危険にさらしたり、路頭に迷わせたりするのはあまりにも不憫です。
2013年に改正された動物愛護法において、飼い主に対する終生飼養の努力義務が明文化されました。
「飼育している動物が、その寿命を終えるまで適切に飼育すること」とし、飼い主には責任があることを示しています。ただ生きていればよいということではなく、必要な世話をして、安心できる居場所を用意し、適切な食事を与え、病気やケガの予防・治療をし、たくさんの愛情を注いで、命ある限り幸せにしてあげることが必要です。
そのようなことができないのであれば、犬や猫などの動物を飼う資格がありません。飼う前にそのことを自問自答することが大切です。
たとえ終生飼養を覚悟して飼ったとしても、予期せぬことは起こります。もし、やむを得ない事情があって飼えなくなったときには、「命をつなぐ」という努力をすることが飼い主の責任だと筆者は考えます。
1人では解決できないと思ったときは、市役所(主に生活課)や動物の専門家、団体を頼りましょう。指導やアドバイスを受けられ、状況が改善できる可能性があります。また、県や市のホームページでは、引き取り手を探すマッチングサービスを行っているケースもあり、それを利用するのも1つの方法です。
犬や猫などの動物の幸せのために、また自分自身のためにも、遺棄という選択をする前に門を叩いて相談をしてほしいと、心から願います。
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