週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

アメリカ76.4%に対して、日本は14.5%にとどまる「中古住宅の取引割合」…低調さの背景にある"2つの要因"とは

8分で読める
  • 中城 康彦 明海大学不動産学部長、一級建築士、不動産鑑定士
2/5 PAGES

本稿では、「不動産の価値」はどのように決まるのか、日本と海外との不動産の価値の決め方の違いについて、お伝えします。

似て非なる不動産の「価値」と「価格」

そもそも、「価値」と「価格」の違いは何でしょうか?

価格は物やサービスの値うちを貨幣額で表したもので、取引する際の値段を示します。これに対して価値は、有用さの程度や大切さを示します。

不動産の経済的な価値が高いか低いかを示す方法の1つが「単位面積当たりの価格」です。

代表的な例は、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月の土地価格を公示する地価公示で、1㎡あたりの土地価格を公示しています。地価公示価格が示す土地価格は「正常な価格」として、「自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格」です。

言い換えると、市場で取引できる不動産について、市場で形成される経済価値を表示したものです。また、地価公示価格を決定する過程で用いられる不動産鑑定評価基準は、「不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示すること」と規定しています。

つまり不動産の価格は、市場で取引することを前提に、その不動産が有する価値のうち経済価値として顕在化する部分を貨幣額で表示したものです。

これに対して、市場で交換することを目的としない、特別の思いで利用するなど、必ずしも経済価値に含まれない価値もあります。

これを利用価値とすると、利用価値には、誇り・満足、愛着・思い入れ、地域・環境との均衡などが含まれます。

さらに、造形・景観的価値、歴史・文化的価値、象徴・精神的価値などがあり、これらを含めて社会的価値が形成されます。

利用価値や社会的価値は経済価値、すなわち価格として顕在化するとは限りませんが、それを重視する観点からは"プライスレス"でかけがえもなく貴重なものです。

(出所:『教養としての「不動産」大全』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

このように、価値があっても価格がないこともあります。

次ページが続きます:
【見方によって「価格」が異なることも】

3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象