従業員1人当たりの「稼ぎ」が急増したトップ50社 過去5期で生産性を大幅に高めた企業を検証

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1人当たり営業利益の指標を見れば、その企業の生産性や付加価値の高低が読み取れる(写真:cba/PIXTA)

国内上場企業の足元の業績は好調だ。3月19日に発売された『会社四季報』2025年2集(春号)での集計によると、全上場企業の今期(2025年1月期~2025年12月期)の予想営業利益は製造業が前期比9.4%、非製造業は17.5%の増益見通し。来期も増益基調が続く見込みとなっている。

ただ、原材料に加え、人手不足を背景とした人件費や物流費の高騰などコスト環境は厳しくなっており、金融を除く29業種中、半数以上の16業種は前号(新春号)予想に比べて営業利益見通しが下振れとなっている。業種や企業によって業績に大きなバラツキが出ており、こうした中での株式投資は銘柄選定がより重要になる。

そこで今回は最新の四季報の巻頭で掲載したランキングの中から、1人当たり営業利益改善度ランキングを紹介する。直近決算期の従業員1人当たりの営業利益をその5期前と比較し、改善幅が大きい順にランキングしたものだ。なお、ランキングは従業員数を減らさずに1人当たりの利益額を増やした企業のみを対象とした(集計対象の諸条件はランキング欄外の注記を参照)。

トップは半導体関連企業

営業利益は売上高から原価、販管費を引いた純粋な事業の儲けを示す。それを社員数で割った1人当たりの営業利益は、いかに効率的に稼げているかを示す指標だ。その金額が高ければ、企業としての生産性、または事業の付加価値が高いことを意味する。

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過去5期の改善度が最も大きかったのは、野村マイクロ・サイエンス。最先端の半導体や液晶の製造過程で洗浄用途に使われる超純水の製造装置の設計や施工、販売を主力事業としている企業だ。韓国、台湾、アメリカなど海外半導体メーカーとの商売が中心で、特に韓国サムスン電子との取引が多い。直近の通期決算期(2024年3月期)の1人当たり営業利益は1953万円で、5期前の2019年3月期から7.2倍にまで増加した。

過去5年間で従業員数は100人弱しか増えてない一方で、半導体市場の成長を追い風に業績が急拡大。2019年3月期に251億円だった売上高は5年間で730億円へと増え、営業利益も12億円から106億円へと8.7倍に増加した。AI需要などで半導体業界の活況が続く中、今2025年3月期も業績は絶好調で、連続して最高純益を大幅更新する見込み。

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