「なぜ今、香取慎吾だったのか?」騒動に揺れるフジテレビで、主演ドラマが放送される“意味”…『日本一の最低男』は、あまりにも《香取慎吾の歩み》と重なる部分が多すぎる

なぜ今、香取慎吾なのか。
彼が主演を務める『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系、木曜22時)が、3月20日、最終回を迎える。
第1話は正直、「おや?」の連続だった。物語は、香取演じる大森一平が選挙に出るための好感度アップ作戦として、義弟家族を引き取るところからスタート。
亡き妹の家族なので、ニセモノとはいいがたい。そして、香取慎吾演じる一平も全然最低ではない。家事が苦手でいいかげんだが、問題と向き合い、反省し、早々に子どもたちも心を開くのである。
「おや?」。疑似家族のギスギスやトラブルをタイトルから勝手にイメージしていたので、戸惑った。
このタイミングで、フジテレビに戻ってきた
しかし、脱落しなくて本当によかった。ここから1話完結で、登校拒否、LGBT、シニアの問題、子ども食堂、生理貧困、託児所不足などのテーマが組み込まれる。それが、一平が家族の絆を深めていく流れと絡み、非常に温かく描かれるのだ。
一平が1人暮らしのままだったら、スルーしたであろうことも、義弟家族と同居することで自分事になり、そして乗り越える策が見つかっていくのである。彼は怒り、愚痴り、偽善でもなんでも、まず行動する。その姿に、観ているこちらも心が揺り動かされる。
テレビ業界で大活躍していたが納得できない理由で職を離れ、別のフィールドで再起を誓ってもがく一平は、平成の時代に第一線を走り続け、芸能界の渦の中で翻弄された香取慎吾自身の姿と重なる。
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