「なぜ今、香取慎吾だったのか?」騒動に揺れるフジテレビで、主演ドラマが放送される“意味”…『日本一の最低男』は、あまりにも《香取慎吾の歩み》と重なる部分が多すぎる

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その一番末っ子ポジションにいた香取が、激しいアップダウンを経験しながらも、自ら発信するべきスタイルを模索し、現在48歳。エンタメの価値観やボーダーラインが大きく変わる現代、再び地上波に戻ってきた彼は、古さも新しさも感じさせる。

萩本欽一といった大ベテランとも堂々と絡み、昭和のコンテンツを受け継ぐ役割を感じさせる。若い才能を引き上げる慧眼は、主題歌「Circus Funk」をコラボした「Chevon」で確証済みだ。

香取自らが彼らを見つけ、楽曲制作をオファーした。

香取慎吾
ChevonのメンバーとのショットもSNSに投稿していた(画像:本人の公式Instagramより)

『日本一の最低男』で一平に恨みを持つ野上役を演じたヘイテツも、香取と同じ事務所に所属。これが俳優デビューとなったが、ガッツリと2人きりのシーンで睨み合い、香取を前に、苦しみをはらんだ長ゼリフを見事こなして、瑞々しい才能を開花させている。

何かを“やってのける”に違いない

才能あふれる若手も、尊敬する大先輩も包み込む。ただ、香取慎吾の不思議なところは、特に意識してリーダーシップを発揮している感じがないことだ。自らが大好きなものを楽しみ、デコラティブなシャンデリアのように輝きながら、周りのパフォーマンスも照らし出している。

そして、クローズしていた扉を、もう一度開く。

『日本一の最低男』の一平は、香取慎吾の新たな幕開けとリンクし、何かを“やってのける”ことは間違いない。

さあ、お立ち合い、お立ち合い、境界のない大合唱(「Circus Funk」)

最終回、彼がどんなトリックを使って「最低男」になり、仲間を守るのか。楽しみである。

田中 稲 ライター

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たなか いね / Ine Tanaka

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人ではアイドル、昭和歌謡・ドラマ、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)、『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。

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