最先端の自動運転バス「営業運転」まだある課題 バス待ち客見分けられるか、飛び出し対策は?

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南部図書館から先は手動運転に戻る。乗降客がいないバス停では、運転士が「通過します」とアナウンスして素通り。前方に歩行者がいても、車道と歩道がガードレールで隔てられていれば、速度を落とさず走る。スムーズな運転では手動運転が勝ると思っているうちに終点のおさかなセンターに到着した。

今回の乗車で気になったのは、乗降客のいないバス停にも停車する問題と歩道の歩行者を検知して減速する問題の2点である。みちのりHDによれば、「いずれ判断のレベルが上がることを期待したい」としたうえで、「バス停の顧客に『バスを利用する』ボタンを押してもらうなどの解も考えられる」という。歩行者については、運行データを蓄積して条件設定を修正すれば最適解が導き出せそうだ。

自動運転バス センサー カメラ
バスは数多くのセンサーやカメラを搭載している(記者撮影)

目標は1台でなく「複数台の運行」

ひたちBRTは乗務員が乗車しない完全な無人運転を目指す。だが、完全な無人運転といっても運転席に人がいないだけで、実際には別の場所にいて、車両の状況を遠隔で監視する人(特定自動運転保安員)がいる。1台のレベル4自動運転バスを無人にしても、遠隔監視者を数に含めれば人数は変わらない。つまり、複数台を導入して遠隔監視者が同時に複数台を監視する状況にならないと人員削減効果は出てこない。

みちのりHDは「2025年度に専用道で複数台運用する体制にしたい」とする。そのときにはドア開閉も無人で実施したいとしており、そのための手段としてドア開閉も遠隔で行う、乗客に開閉してもらうといった方策を検討中。運賃収受については交通系IC・クレジットカードのタッチ決済やQRコード決済などのキャッシュレス化を目指す。

では、ひたちBRTの一般道で手動運転を行う運転士をどうするか。みちのりHDは2026〜2027年度に一般道でも自動運転を導入したいと考える。それが実現してようやくレベル4自動運転が完成する。

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