最先端の自動運転バス「営業運転」まだある課題 バス待ち客見分けられるか、飛び出し対策は?

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BRTとはBus Rapid Transit(バス高速輸送システム)の頭文字をとったもの。国土交通省は「連節バス、PTPS(公共交通優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステム」と定義する。ひたちBRTは日立電鉄の廃線跡をバス専用道に転用したバス路線で、2013年に一部区間が開業、2019年から本格運行を開始した。

ひたちBRTは多賀駅前―大甕(おおみか)駅西口―おさかなセンターを結ぶ全長約8.7kmの路線である。路線の両端に当たる多賀駅前―河原子間と南部図書館―おさかなセンター間は一般道を走り、真ん中の河原子―南部図書館間の約6.1kmがバス専用道となる。

専用道にはバス停が14カ所、信号機がある一般道との交差部が3カ所、信号機がない一般道との交差点が8カ所ある。レベル4自動運転は「特定の条件の下」という条件があるとおり、運転が行われるのはこのバス専用道に限られる。特定の条件には天候や照度も含まれており、悪天候時や夜間における運行は許可されていない。

自動運転バスは「立ち乗り」不可

2023年9月から実証実験を始め、2024年12月に営業車両としては国内で初めてレベル4自動運行の許可を得た。実際のレベル4自動運転による営業運行は伊予鉄バスが高浜駅前と松山観光港を結ぶ連絡バスがひたちBRTより一足早い2024年12月25日にスタートしている。しかし、伊予鉄バスの車両サイズは小型で、その運行距離は800mにすぎず、交差点も信号もない。その意味では、ひたちBRTのほうがより実践的といえる。

ひたちBRTでは1日に60往復以上のバスが専用道を行き交うが、このうちの4往復がレベル4自動運転となる。今回は多賀駅前を9時42分に出発するバスに乗ることにした。

9時40分、1台のバスが多賀駅前の停留所にやってきた。外見は普通の中型バスと変わらないが、よく見ると車体のあちこちにカメラやセンサーが設置されている。乗降口の脇に「座席定員制27名」と書かれていた。立ったままの乗車はできない。

ひたちBRT 自動運転バス
車体の各部にセンサーやカメラが付いた自動運転バス(記者撮影)
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