6センチの段差を脚で乗り越える掃除ロボ登場 欧州・東南アジアで急成長のDreameが野心的な新製品

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販売は3月7日から予約を開始し、4月中旬頃に入荷予定。当初はAmazon.co.jpやヨドバシ.comなどのECサイト中心の展開となる。今後はヨドバシカメラやビックカメラなど家電量販店でも販売を拡大するため、商談を進めているという。

Dreameは同時に、L10s Ultra Gen2、L10s Pro Ultra Heat、L10s Plusなど、5万円から20万円までの幅広い価格帯の製品ラインナップも展開する。

 “モノを片付ける”ロボット掃除機のコンセプトも

同社はさらに先を見据えた開発も進めている。CES 2025で披露されたコンセプトモデル「X50 Cyber」では、今回発表のX50 Ultraの「脚」に加え、伸縮式の「腕」を搭載した。この多関節ロボットアームは30cmまで伸び、400gまでの物体を持ち上げられる。あくまでもコンセプトモデルではあるが、将来的には靴やおもちゃなどの小物を拾い、指定場所に運ぶ機能も計画しているという。

CES2025
1月にアメリカで開催された展示会「CES2025」では、モノを動かせる「腕」を搭載したロボット掃除機のコンセプト「X50 Cyber」を披露した(Dreame提供)

こうした先進的な技術開発を進める一方で、現状の日本市場における課題も少なくない。「日本市場ではロボット掃除機の出荷台数が長年変わっていない」とDreame Technology Japanの濱田セールスディレクターは市場の閉塞感を指摘する。コードレス掃除機が広く普及している日本では、ロボット掃除機に対する消費者の期待値も高く、段差対応などの技術革新が市場開拓のカギになるという。

Dreame Technology Japan
Dreame Technology Japanの濱田明克セールスディレクター(筆者撮影)

高度な技術革新は確かに市場に新たな価値をもたらすが、それが市場全体を変えるには、技術だけでなく、価格戦略や使用文化の変革も必要になる。ロボット掃除機の幅を広げるDreameの技術が、日本の家庭にどこまで浸透するか。そのカギの1つが、技術と価格のバランスであることは確かだろう。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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