米国際開発局、職員に「機密文書破棄命令」の波紋 「できるだけ多くをシュレッダーに」

米国際開発局(USAID)のスタッフは機密文書と職員記録の破棄を命じられたことが、同局トップからの文書で明らかになった。新たな法的係争の火種になる可能性があり、職員を代表する労組から警戒の声が上がっている。
「まずできるだけ多くの書類をシュレッダーにかけ、シュレッダーが使えない、あるいは壊れた場合に備えて焼却用の袋を確保するように」との指示が、ブルームバーグ・ニュースが確認した同文書のコピーに記されている。同文書にはUSAIDのカー事務局長代理が署名している。
USAIDを監督する米国務省にコメントを求めたが、返信は得られていない。法的係争中の契約社員を代表する弁護士らは、「継続中の訴訟に関連する可能性がある全文書の保持」を政府に命じるべく裁判所に緊急の申し立てを行った。
弁護士らはこの申し立ての中で、司法省に説明を求めたが回答を得ていないと説明している。
カー氏の命令が出たのは10日。同日にルビオ国務長官はUSAIDの対外援助契約についてその大部分を打ち切り、残りを国務省の管轄下に移した。
USAIDはこれによって、自立した機関ではなくなった。トランプ政権が推進する対外支援の支出縮小に伴い、同局職員1万人のほとんどが解雇もしくは帰休扱いとされた。
1950年施行の連邦記録法は連邦機関に記録の保持を義務付けており、文書の破棄については厳格な指針を設けている。
著者:Jason Leopold、Iain Marlow
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