「ChatGPTが東大入試解いてみた」驚く結果の中身 新しい「o3」が登場、人間はどう向き合うか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今回のケースでは、理系大問5に関して、ChatGPTは最初は支離滅裂な解答を提示していましたが、それを読む人間がミスを見つけたうえで、該当箇所を指摘し、プロンプト・チューニングを行うことによって、ChatGPTも正しい解答を提示するようになりました。

理系大問5の正しい解答を示すChatGPT

本記事では、「東大数学の得点率」という観点から、ChatGPT o3-mini highの性能評価とAIの取り扱い方について紹介しましたが、これは何も「数学の入試問題を解く」という限定的な議論で終止する問題ではありません。

数学は批判的な思考力を身に付ける道具

しかし、あえて「高校までに習う数学」という部分に焦点を当てて話すならば、これからの時代では、義務教育および高校で習う算数や数学という科目は、批判的な思考力を身に付けるための、最も洗練された題材として活用されていくのだと思います。

多くの人にとって、「数学」で学ぶことのうち最も重要なものは、定理や公式そのものなどではなく、思考の体系や自分の頭で考えたという経験自体なのではないでしょうか。


【補足】

・プロンプト・チューニングに際しては、引用元記事の執筆者に承諾をいただいたうえで、こちらの記事内に記載されているものを使用させていただきました。

・今回の記事で使用したチャットの一覧を掲載します。併せてご確認ください。

【理系数学】理系大問1理系大問2理系大問3理系大問4理系大問5
理系大問5(修正)理系大問6

【文系数学】文系大問1文系大問2文系大問3文系大問4

・理系大問2に関して、ChatGPTが提示した解答は、高校数学の範囲を逸脱しているものでしたが、内容自体に間違いはなく、「より厳密に議論するには一様収束性を調べなければならない」と、正しい記載も見られたため、筆者としては満点の解答として扱いました。

亀田 崚 東京大学理学部物理学科学生・日曜劇場「御上先生」教育監修

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かめだ りょう / Ryo Kameda

2000年生まれ。東京大学理学部物理学科学生。東大カルペ・ディエム所属。公立高校から一浪を経て東京大学理科一類に合格。その経験を活かし、全国の高校生や駿台予備学校お茶の水校3号館の浪人生に対して学習指導を行なっている。また、自身が大学で学んでいる物理や数学の面白さを伝えるため、メディア活動やボードゲームの開発を行なっている。『御上先生』教育監修。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事