まるでドーミーイン?「中国のホテル」の凄い進化 おもてなしも凄い、現地のホテル事情を分析

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筆者も中国に赴くたびATOURが増えているのを感じる。最初は「人気なんだなあ」「気になっているから視界に入るのかなあ」程度に見ていたが、年明けに訪中したときは徒歩5分圏内にATOURが2軒あるのに気づき、「増えすぎやろ」と心の中で突っ込んだ。

ホテルビジネスのデータを提供するアメリカ・Lodging Econometricsによると、2024年9月末時点で、中国で建設中のホテルは2793軒(50万5106室)もある。うち高級ホテルチェーンは前年同期比14%増の1026軒、中高級ホテルチェーンは同7%増の1230施設と、ハイエンドの競争が激化するのは確実だ。同社は2024年に1000近くのホテルが新規オープンし、2025年も1101軒が開業すると見込んでいる。

中国 ホテル 高級化
四川省・青城山で2023年に宿泊した露天風呂付き客室のある宿泊施設。コロナ禍でホテルが淘汰される一方、数年越しで新規開業ラッシュが続く(写真:筆者撮影)

一方、中国の旅行市場は回復しているとは言え力強さはない。景気低迷やオンライン会議の浸透で出張需要の伸びも鈍い。現地の報道によると、中国のホテルの1室あたりの単価、稼働率はすでに低下傾向にある。

ATOURはこのままの勢いを保てるか

筆者が年初に大連の外資系高級ブランドのホテルに宿泊したときも、宿泊客はまばらで、3つあるレストランのうち2つは閉まっていた。周辺の高級ホテルの宿泊価格も、コロナ禍前と比べて明らかに下がっていた(円安のため円換算では変わらなかったが)。

デフレが進行する中国で、ATOURが今の勢いを保てるのか気になるところだ。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

福岡市出身、早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で教員。現在は経済分野を中心に執筆編集、海外企業の日本進出における情報発信の助言を手掛ける。近著に『崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
X: https://twitter.com/sanadi37
公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/

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