「鉄道の父の故郷」だが地味、山口ご当地鉄道事情 1日3往復のミニ支線あればSLが活躍する路線も

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宇部線そのものは新山口―宇部新川―宇部間を結ぶ。ただ、途中の居能駅では小野田線と接続し、宇部市・山陽小野田市一帯のやや複雑なネットワークの一端を担っている。

小野田線は居能―小野田間の本線と雀田―長門本山間の支線からなり、かつては宇部線と同じく石灰石や石炭輸送で活躍した産業鉄道だ。宇部線・小野田線は、工業地帯としてのこの一帯のシンボルのような鉄道路線、というべきか。

小野田線支線 長門本山駅
小野田線支線の終点、長門本山駅。この駅からは1日に3本しか列車が発車しない(撮影:鼠入昌史)

かつて石灰石輸送で繁栄

宇部や小野田の中心市街地へのアクセスは宇部線・小野田線に任せ、山陽本線は内陸を辿って西に進む。新幹線との接続駅でもある厚狭駅からは、美祢線が北に分かれて山陰本線とつないでいる。

が、この美祢線は2023年の水害で被災して以来、長く運休が続いている。かつては宇部線などとともに石灰石輸送で繁栄し、ローカル線と思いきや分類は山陽本線などと同じ“幹線”の扱い。

しかし、宇部興産の専用道路が開通してからは貨物路線としての存在感を低下させ、いまや存廃が気になるローカル線になっている。

駅前に三年寝太郎の像が鎮座する厚狭駅を過ぎると、あとは長府を経て下関。下関市は山口県では最大の都市だ。が、経済圏としては山口というより海峡の向こうの福岡県北九州市と密接な関係にあるという。JR西日本と九州の境界駅でもある下関駅に達するその直前、幡生駅で山陽本線は山陰本線を合流させている。

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