「鉄道の父の故郷」だが地味、山口ご当地鉄道事情 1日3往復のミニ支線あればSLが活躍する路線も

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ところが、である。そんな山口県の鉄道となると、どうだろう。もちろん山陽新幹線は県内を横断しているが、他に県内を走る特急は、山口線の「スーパーおき」だけだ。

県都・山口市の玄関口はその山口線の山口駅。もちろん「スーパーおき」は停まるのだが、2021年にみどりの窓口も閉鎖されていてローカル感は否めない。県庁所在地の最寄り駅が地方交通線というのは、山口県だけなのだとか。いったいなぜ、山口県は「鉄道の父」を世に送り出しながらも、鉄道ネットワークに恵まれなかったのだろうか。

山口県を走る鉄道は…?

そんな疑問を抱きつつ、県内の鉄道を旅してみよう。

山口県内にいちばん最初に通った鉄道は、山陽本線だ。1897年、当時の山陽鉄道が広島―徳山間を開業させたのがはじまりだ。山陽鉄道はその後も線路を延ばし、1901年に馬関駅(現・下関駅)に達している。

はじめ、徳山までしか開業していなかった時点では徳山と馬関・門司を船で結んでいたが、下関まで延伸してからは関門連絡船。関門トンネルが開通したのは、1942年のことだ。

山陽本線は、ほとんど一貫して山口県の瀬戸内海沿いを走る。広島県との県境は大竹―和木間。すぐに岩国という県東部最大の都市に出る。岩国駅までは広島シティネットワークに含まれていて、運転本数も多い。

岩国駅からは南に進んで海沿いに。途中には柳井や光、また鉄道車両を製造している日立製作所笠戸事業所でも知られる下松などがある。この間では安芸灘から伊予灘までを望める区間も多く、大畠駅は大島に向けた連絡航路が発着していた要衝でもあった。

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