「インフラ更新が心配」な街ランキング・東海編 ほとんどの自治体で更新費用が膨らむ結果に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

多くの自治体の管理計画に目を通す中で、残念に感じたことは、もう1つある。公共施設(ハコモノ)以外のインフラ(道路、橋梁、上下水道など)に対する、将来の更新費用についての記述をあいまいにしている、または記載していない自治体が散見されることだ。

「なお、インフラ施設については、統廃合等による保有総量の縮減が難しいため更新経費を試算していませんが、管理計画的な施設の点検等の実施により長寿命化を図り、更新経費の削減に努めます」(愛知県犬山市)
「本管理計画においては、インフラ施設に係る更新費用の試算は行っていませんが、今後、インフラ施設の適正な保全を図るためには、現在(単年度約4.6億円)を超える、多額の費用が必要になると考えられます」(愛知県常滑市)

意外と多い「ふんわり表現」

このように、更新費用のシミュレーションを避け、「ふわっとした」表記にとどめているのだ。今回の東海編で言うと、以下の自治体が該当する。

・ 愛知県:常滑市、新城市、犬山市
・ 静岡県:御前崎市、牧之原市
・ 三重県:松阪市、熊野市、志摩市

これらの自治体については、ランキングでほかの自治体と比較するのはフェアでないとの判断から、対象から除外した。しかし、関西編でも言及したが、これで住民への説明責任を十分果たしているとはいえないだろう。

今回のランキング記事を通して毎回お伝えしているのは、増減率という数字はあくまで目安でしかないということだ。増減率が高い自治体は、裏を返せば精緻に将来予測を行い、包み隠さず公表している姿勢の表れかもしれない。

それぞれの管理計画は自治体のホームページですべて公開されている。大事なのは、この管理計画のとおりに各自治体が予算を確保し、持続可能な行政運営を行うかどうか、住民が関心を持って見守ることだ。

次ページ愛知県の1位は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事