新マリン建設「エスコン」とは "事情が違う"ワケ すでに完成された街では、球場をどうすべきか

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「『遊』という観点では、幕張新都心には大きなポテンシャルがありますし、それを最大限生かしていきたいと考えています。ただ一方で、『やっぱり東京には劣ってしまう』とか『野球以外のイベントを実施するにしても、東京ドームの独り勝ち』といった話は耳にします」(塚田氏)

このことは現スタジアムの改修や建て替えからは少し離れる話だが、幕張新都心のまちづくりを重視するのであれば、首都圏競合の動向も注視すべきであり、いかにして幕張新都心の価値をアピールし差別化を図っていくかは無視できない課題だ。

今後は“稼ぐ”という視点も

球場の改修、さらには建て替えともなれば莫大なコストがかかるが、「コストはとても重要だが、コスト面だけにとらわれてはいけない」と塚田氏は言う。

「近年、まちづくりや地域活性化の核となるスタジアム・アリーナの実現を目指す『スタジアム・アリーナ改革』に国を挙げて取り組んでいます。従来の考え方ですと、スポーツ施設は公的資金の負担の対象である「コストセンター」でしたが、これを収益を生み出す「プロフィットセンター」へ転換させようと。賑わいの創出や持続可能なまちづくりを実現することで、投資以上の効果を地域にもたらすという考え方です。

現スタジアムの運営実績や先行事例等をもとに、基礎調査で概算事業費(30年間の合計)を試算しましたが、最も安価な『現状維持(新たな機能は加えず、いまの球場を改修するだけ)』とした場合、工事費・管理運営費・修繕費の合計は約978億~1000億円となり、標準収入(利用料金・飲食物販使用料・広告等)を試算すると、約1014億円となりました。

一方、最も高価な『開閉式ドームへの建て替え』とした場合、工事費・管理運営費・修繕費の合計は約2449億~2505億円となり、標準収入を試算すると約1658億円になりました。プロフィットセンターの視点、要は“稼ぐ”という視点も今後は取り入れていかなければいけないと考えています。

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