「仕事も家庭も大切に」仲間由紀恵が語る生き方 「トリック」堤幸彦監督と10年ぶりのタッグ

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(撮影:長田慶)

映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』のタイトルには、「新しい一歩を踏み出す」という意味が込められている。俳優として、一人の女性として仲間さんがこれまで歩んできた「新しい一歩」とはどんな瞬間だったのか?

「私にとっての"ステップアウト"は、『トリック』との出会いでしたね」

そう語る仲間さんは、かつて芝居に自信を持てず、不安の中で演技をしていたという。

「これが正解なのか? 私の芝居でいいのか? そんな気持ちが常にありました」

しかし、『トリック』の現場は違った。

「バカバカしいことを本気でやる大人たちが集まっていて(笑)。スタッフさんたちも寝不足なのに、『もっと変にしよう』『もっとおかしくしよう』ってくだらないことに全力で取り組んでいました」

その熱量に触れ、「芝居ってこうやって楽しむんだ」と初めて実感できた。

「それが、私が俳優として一歩を踏み出すきっかけだったんです」

「母親も、自分の人生を諦めなくていい」

(撮影:長田慶)

それから20年余り。母親となった今、仲間さんは次世代を見つめながらこう語る。

「子どもたちが新しい一歩を踏み出そうとする時、『あなたはあなたの道を進んでいい』と、まっすぐ伝えられる親でありたいですね」

迷いながら進んできた自分だからこそ、子どもの選択を信じ、応援することの大切さを感じている。

「親が子どもの挑戦を肯定し、信じる。それが親としてできる最大のサポートだと思います」

一方で、母親としての役割と、自分自身の生き方についてもこう語る。

「母だからといって、自分の人生を諦める必要はありません。むしろ、母であっても挑戦をやめない姿を見せることが、子どもたちにとって勇気になるんじゃないでしょうか」

子どもの未来を見守りながら、自分自身の人生も歩み続ける。その姿は、母親だからこそ届けられる「まっすぐなエール」なのかもしれない。

ヘアメイク:杉田和人(POOL)/スタイリスト:十川ヒロコ(THIS)

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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