自分の「内面の状態」に無頓着な上司はどんな悪影響を及ぼすか?反対に「自分のイライラ」に気づける上司が成功する理由とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このことは、多くの書籍でも指摘されており、多くの場合、次のような形で説明されています。

フラットな視点を身につけるための「思考の自由度」

・コップに水が半分入っているとき、「あと半分しかない」と不愉快に思うのも、「まだ半分ある」と喜ぶのも、その人の主観である。「まだ半分」「もう半分」という解釈から離れて、「コップに水が半分入っている」という事実をありのまま受け取ること。
・「自分は今、部下の意見に対して否定的な反応をしているのではないか?」「自分は今、自分の好き嫌いだけでものごとを決めつけたのではないか?」などと、自分の思考を振り返って、自分の内面の動きを把握すること。

しかし、こうした対症療法的な取り組みもまた、「こう見るべき」「こう考えるべき」という思考のとらわれに過ぎません。

できるリーダーが「1人のとき」にやっていること マネジメントの結果は「部下と接する前」に決まっている
『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること マネジメントの結果は「部下と接する前」に決まっている』(日経BP)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

リーダーにとってまず重要なのは、「部下が今、どういう状態にあるのか?」「今、ものごとがどういう状況にあるのか?」「自分たちのビジネスは、どういう環境にあるのか?」などをフラットに見て、理解することです。

なぜなら、「砂漠をあと100キロ歩く中での”コップに水が半分”」と「カフェで珈琲を飲みながら”コップに水が半分”」では、「半分」の意味がガラリと変わるからです。

そして、その前提として、「自分の内面の状態」の把握が欠かせません。

たとえば、イライラしているときや「こうあるべき」という思い込みにとらわれている状態では、部下の本来の姿をフラットに捉えることは困難です。リーダーが自分のイライラに気づかずに部下を叱ると、部下は「何が問題だったのか」よりも、リーダーの感情的な態度にばかり意識が向いてしまい、本来の課題に向き合う機会を失ってしまう可能性があります。

あるいは、「顧客はこう考えるはずだ」などという思い込みにとらわれている状態では、本来のニーズを捉えることはできないでしょう。リーダーが本質をつかみ損ねている状態でチームを牽引しようとしても、うまくいくはずがありません。目の前の対応ばかりに追われて、中長期的な手を打てなくなってしまうでしょう。

自分の内面に気づき、偏りのない視点を持つリーダーは、部下の可能性を引き出し、組織全体を成長させる存在です。このようなリーダーは、変化の激しい時代においても信頼を集め、新たな価値を生み出し続けることができます。

フラットなものの見方を磨くことが、これからのリーダーシップの鍵となるのです。

大野 栄一 すごい会議®️公式コーチ

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おおの えいいち / Eiichi Ohno

「すごい会議」公式コーチ。株式会社一番大切なこと代表取締役。1967年東京生まれ。1990年専修大学商学部卒業。2009年3月、主たる経営資源の人材・モノ・お金・戦略の経験を経て、成長戦略参謀室株式会社設立。すごい会議コーチとして専心して16年目。2012年には創始者ハワード・ゴールドマンアワードを受賞。これまでおよそ130社1400人以上に指導している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事