自分の「内面の状態」に無頓着な上司はどんな悪影響を及ぼすか?反対に「自分のイライラ」に気づける上司が成功する理由とは?

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私たちが信じる正義は、これまでの経験から形づくられたものです。そのため、自分の考えや行動が否定されたり無視されたりすると、強い違和感や怒りを覚えます。自分の信念と矛盾する意見への不快感、自尊心が脅かされることへの不安、他者を従わせたいという欲求の挫折などが理由です。

また、リーダーが「思考の檻」にとらわれていると、世の中で起こっているさまざまな事象に対する把握の仕方も偏ってしまいます。その結果、的外れな策を打ち出してしまったり、本質的でないことに奔走したり。その時々でいい業績につながることがあっても、組織の継続的な成長にはつながらないものです。

何が起こっているのかを適切に把握し、手を打っていくためには「こうあるべきだ」「こうなるはずだ」という「思考の檻」から脱却し、フラットに考えることが不可欠なのです。

「好き・嫌い」「良い・悪い」もまた思考の檻

リーダーとして、私たちは日々さまざまな出来事や人々に対して「好き・嫌い」や「良い・悪い」といった評価を下しています。

ですが、これらの評価は私たち自身のフィルター、つまり、ものの見方を通じて生まれた主観的なものであり、本来、対象そのものに特定の意味づけはありません。

たとえば、同じ状況でも人によって感じ方や捉え方が異なることはありませんか?

違いが出るのは、各自が持つ先入観や経験が影響しているからです。自分と相手で感じ方や捉え方が違ったときに、まず「自分が正しい/相手が間違っている」と感じたとしたら、それは先入観にとらわれた、偏った考え方です。

では、先入観による偏った考えをなくすためには、どのようにしたらいいのでしょうか。本稿では、リーダーがフラットな視点を持つために、「自分のものの見方の傾向」を知り、自己認識(=自分の思考のクセを知ること)を深めることで、部下や組織の状況を健全に捉える力を養うことを目指します。

繰り返しになりますが、リーダーにとってものごとをフラットに観察し、意味づけせずに受け入れる姿勢は大切です。

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