嬉野温泉名物「ふわとろ湯豆腐」を自宅で作るワザ 豆腐を煮る"水"を工夫するだけで食感が激変

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鍋に昆布を敷き、水を注ぎます。8等分に切った豆腐を並べ、重曹を加えます。重曹は苦みがあるので、入れすぎには注意してください。

アルミ鍋は使用不可なので、その他の材質の鍋を使ってください

実験感覚でとろける食感に

重曹(=炭酸水素ナトリウム)は、水に入れて加熱すると炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水に分解​​されます。この反応は65℃以上で顕著に進みますが、炭酸ナトリウムはpHが高いアルカリ性のため、鍋の中の水はアルカリ性に傾きます。

ざっくり説明すると、豆腐は豆乳を酸性に傾けることで凝固させるので、アルカリ性の物質で中和させることで、とろける食感に変わるのです。

一晩置くと、さらに豆腐が柔らかくなります

沸いてきたら弱火で10分。すると、こんな風に豆腐の表面がすっかり溶け、角も丸くなっているのがわかります。

好みの具材を入れて、さっと煮れば出来上がり。水菜のほかにかいわれ大根、しめじのほかにしいたけなどでもいいでしょう。

豆腐が柔らかいので、すくうときは注意してください

汁には苦みがあるので、気になる方は豆腐だけをすくい、ごまダレをかけてください。重曹を使うことで、安価な豆腐でも驚くほど高級な味わいに変化します。わざわざ重曹を用意するというハードルはありますが、実験感覚で試していただきたいレシピです。

樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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