しまむら創業者「あえて60点主義」の深い意図 スタバやヤマト、名経営者たちの心に残る発言

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「あなたのやりたいことがはっきりしたら、同じことをやった経験のある人物を見つけることだ」

先達の経験を踏まえて、自分なりの道を歩んでも遅くはない。

しまむら創業者の深い名言

・「60点主義にして、80点を狙わせる」(島村恒俊)

価格の圧倒的な安さだけではなく、近年はファッション性も評価されている「ファッションセンターしまむら」。全身コーディネートする若者は「しまラー」と呼ばれるなど、今や若い女性から支持される人気ブランドとなった。

運営する株式会社しまむらを創業したのが、島村恒俊である。島村は戦後すぐに両親から引き継いだ島村呉服屋を法人化。埼玉県で3店舗展開した後に、県外へと飛び出して勝負に出た。全国47都道府県すべてに出店したのは、2002年のことである。

まだ経営に余裕がないときから、従業員教育への費用を惜しまず、経営セミナーにも積極的に派遣した。人材育成に重点を置く島村が、よく口にした言葉がこれである。

「60点主義にして、80点を狙わせる」

ひたすらハードルを上げるだけでは、モチベーションも下がってしまう。「達成感」というかけがえのない報酬が、従業員の積極性を生み出していく。

・「週に1回の失敗が2週間に1回になれば、成長したということです。5年もすれば失敗しなくなります」(大山泰弘)

大山泰弘は1932年、東京都生まれの日本理化学工業会長。もともとは教師か弁護士を志していたが、父の病気によって、家業のチョーク製造を手伝うようになる。入社して3年後、知的障害者の通う養護学校の教師から、卒業生の就職依頼を受けて、運命が変わっていく。

当初は2週間の実習のみの予定で2人の障害者を受け入れたが、仕事への熱心さに心を打たれ、正式に採用。一人でも多くの障害者を雇用しようと、現在では、全社員のうち約7割が知的障害を持つ従業員である。

字や数が分からない従業員には、仕事道具を色別にするなど工夫を重ねながら、粘り強く指導する大山の言葉がこれだ。

「週に1回の失敗が2週間に1回になれば、成長したということです。5年もすれば失敗しなくなります」

段階に応じて、できたことをきちんと誉めて認めていくこと。一歩一歩地道に育てることで、大きな花が咲くこともある。日本理化学工業は、チョーク製造において国内で3割を超えるシェアを誇っている。

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