「伊藤詩織映画」なぜ日本と海外で反応が違うのか 知らされていない事実とアカデミー賞候補入りの評価ポイント
昨年の候補作には、13歳の娘がレイプされ、周囲に止められても正義のために立ち上がるインドの小さな村に住む父を描いた『虎を仕留めるために』(Netflixで配信中)があり、個人的には一番応援していたのだが、『マリウポリ』に負けた。
もちろん、だからといって性暴力の問題はウクライナ問題より弱いということでも、今年も同じパターンになると決まったわけでもない。それに、ウクライナをめぐるトランプとプーチンの動きが活発になったのは、オスカーの投票が締切られたあたりからで、その直接の影響はおそらく反映されない。
結果がどう出るにしろ、日本の外に住む人にとって『Black Box Diaries』が見せつけた日本の状況が『虎を仕留めるために』とかなりつながるというのは衝撃的である。日本が性犯罪に対してここまで遅れているというのもまた『Black Box Diaries』をインパクトのあるものにしているといえる。
コンゴの歴史を振り返る候補作も
ところで、ここまで触れなかった最後の候補作『Soundtrack to a Coup d’Etat』は、植民地だったコンゴ民主共和国が独立した1960年前後からの時代を、アメリカのジャズミュージシャンをからめながら見つめていくものだ。
アーカイブ映像でつづる歴史的ドキュメンタリーだが、大国がそうでない国の未来を勝手に決めていく様子、また国連の力のなさなどは、今起きていることに非常につながり、タイムリーでもある。
これらの候補の中で最終的にオスカーを手にするのはどれなのか。答は現地時間2日にわかる。
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