「3浪横国大→ヤフー」浪人で縮まった親子の距離 自宅浪人を経験して学んだこと、今のやりがい

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しかし、結局この年も3年連続で受験した旧帝大の農学部に合格できず、後期試験で河合塾のセンターリサーチがA判定だった横浜国立大学の経営学部経営学科に合格。よしのぶさんは、横浜国立大に進むことを決めました。

「さすがにこれ以上の浪人はできないと思っていました。文系の進路を考えたことはなかったのですが、文系の成績がよくてセンター試験では3科目で9割取れたこともあり、『経営者になれるのかな』くらいの軽い気持ちで経営学部に進学しました。

周囲のアドバイスがない宅浪は、得意科目がより得意に、不得意科目はそのまま放置しがちなので、結局最後まで苦手だった数学の記述問題が解けないまま終わりました。宅浪のよくない部分が出てしまったなと思います」

宅浪の3年間は、たくさん後悔することがあったよしのぶさん。しかし、宅浪したことで、家族との仲がとても深まり、周囲の人の支えを実感できたそうです。

3年間の宅浪で親子の距離が縮んだ

「僕自身は多浪して家族に申し訳ない気持ちはありましたが、周囲がうまく気をつかってくれたため、プレッシャーがなかったのがよかったですね。『大学目指してるんだ!偉いね!』ってよく言ってもらえました(笑)。母親と2人で九州一周旅行もしましたし、山の中にあった母方の祖父母の家にもよく行って、僕の好きな生き物をたくさん見れたこともよかったですね。

ちょうど反抗期だった中学校から高校までは両親や祖父母とあまり話さなかったのですが、反抗期が落ち着いた浪人の3年間を、両親や祖父母との時間に費やせたのはとてもよかったです」

浪人で親との距離が縮んだよしのぶさんは横浜国立大学の経営学部に入ったあと、大学では独学でプログラミングを勉強しつつまじめに勉強を重ね、新卒でヤフー株式会社(現:LINEヤフー)に入社しました。

濱井正吾 浪人 横浜国立大 ヤフー
「就職できないかと思っていたけれど、3浪トークで就職できた」よしのぶさんと、新卒同期との写真。「社会に出ると3浪なんて誤差さ(願望)」とよしのぶさんは語る(写真:よしのぶさん提供)

よしのぶさんに、浪人をして良かったことがあるかを聞くと、「エピソードトークが増えたこと」、頑張れた理由は、「社会に置いていかれる焦り」と答えてくれました。

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