「例えば」「要するに」駆使する人の言語力が高い理由 "抽象"と"具体"の往復が言語脳を鍛える

日々の思考の中で「具体」と「抽象」の両方を使いこなすことができれば、世の中で起きている個々の事象を深層まで理解することができます(写真:Kazpon/PIXTA)
言語化とは、自分の思いや考えを言葉で表現することだけではありません。
相手の立場を思いやって、円滑な意思疎通をしたり、自分の思考を整理し、判断力を高めるためにも必要なスキルです。その意味で、私たちの仕事の大部分は、言語化なしでは成り立ちません。
明治大学文学部の齋藤孝教授の新著『最強の言語化力』では、言語化とはどういうことか、なぜ必要なのか、さらに言語化力を磨くトレーニングやその活用法が紹介されています。
本稿では同書から一部を抜粋しお届けします。
具体⇔抽象を行き来する思考プロセス
普段あまり意識されていませんが、私たちの思考には「具体的な思考」と「抽象的な思考」の2つがあり、この両方を言葉を介して行ったり来たり往復するというプロセスを踏んでいます。この往復を柔軟にできる人が一般に頭が良いといわれる人で、言語化力の高い人ということになります。
「具体」と「抽象」とはどういうことでしょうか。たとえば玩具メーカーが子ども向けの新商品を企画しているとします。組み立て式のおもちゃが人気らしいので、その線で案を出し合うことになり、結果として「合金ロボット」「昆虫キット」「組み立てビルディング」の3つに絞り込まれて販売が決定しました。
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