医師から「危篤宣言」された男の体に生じていた事 死亡率20%の病、始まりは「背中の痛み」だった

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一方、背中に近い下行大動脈に解離が起こる「スタンフォードB型」は、すぐには破裂しない傾向があるので、血圧を下げる治療を行うことが多いそうだ。

山田さんの場合、幸いにもスタンフォードB型だったため、ただちに命に関わることがなく、経過観察となった。

ただその場合でも、経過観察中に破裂のおそれが出てきたら、手術を行うことになる(実際、山田さんはそうだった)が、近年、大動脈解離の計画手術(緊急手術ではなく、予定された手術)は、医療の進歩によって、だいぶ安全に行えるようになったと、菊池医師は言う。

血圧は大動脈解離の最大の要因

いずれにせよ、一度発症したら再び血圧が高くならないよう、徹底的にコントロールする必要がある。

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「普段から血圧を測って管理し、必ず治療を続けてください。それからトイレで強くいきんだり、暖かい場所から急に寒い場所に行ったりすると血圧が上がりやすいので、十分に気をつけましょう」(菊池医師)

なお遺伝が関わっていることから、家族に大動脈解離を発症した人がいる場合も、大動脈解離には注意が必要だ。

過度の飲酒をせず、喫煙や暴飲暴食をやめ、便通がよくなるようバランスのよい食事をとり、適正体重をキープし、適度な運動をし、規則正しい毎日を送る……普段から適切な生活習慣を送ることが大切だろう。

菊池 大和 きくち総合診療クリニック

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きくちやまと / Yamato Kikuchi

2004年、福島県立医科大学医学部卒。浜松医科大学附属病院にて初期研修医。磐田市立総合病院外科、国立がんセンター東病院呼吸器外科、湘南東部総合病院外科科長・救急センター長、座間総合病院総合診療科などを経て2017年、土日も診療を行う総合診療クリニックであるきくち総合診療クリニックを開業。小児から高齢者まで、救急医療も行い、あらゆる症状を診る「総合診療クリニック」が全国に広がることを目指し、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

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大西 まお 編集者・ライター

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おおにし まお / Mao Onishi

出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な編集担当書は、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、宋美玄 著『産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。

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