皮肉にも「学力が全国1位」だったから…「若者がどんどん地方から出ていく」本当の"原因"は何か

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永谷:まったくそのとおりで、人手不足解消の特効薬はない。専門的に言うと、移住や観光だけでなく、地域と多様な形で関わる「関係人口」を地道に増やしていくしかないんです。

人が増え、産業が発展すれば新たな雇用やビジネスが生まれ、地域がどんどんアップデートされる。そのうえで、鈴木さんが取り組まれているリモートワークの推進は、まさにマッチしている。

「農業×テレワーク」二足のわらじで稼ぐ方法もある

永谷亜矢子/大学を卒業後、リクルートに入社し広告営業、企画、雑誌の編集に携わる。2005年、東京ガールズコレクションの立ち上げに関わり、イベントプロデュースやPR、社長業を兼任。2011年より吉本興業で海外事業、エンターテインメント事業のプロデュースを担い、2016年に株式会社anを設立。企業&中央官庁、自治体へのマーケティング、PRコンサルタント、施設やイベントの企画からプロデュースまでを担う。2018年より立教大学経営学部客員教授

鈴木:今は「マネージャー型テレワーカー」といって、たとえば地方での「農業×テレワーク」という二足のわらじで稼ぐ方法もあります。

リモートワーク以外にも、リ・スキリングのやり方を教えたり、企業誘致したり、はたまた廃校になった小学校の校舎をリノベーションしてサテライトオフィスを作ったり。僕の仕事は「関係人口の創出」といっても過言ではないかもしれませんね。

永谷最終的に大切なのは、やっぱり「人」ですよね。

まだ数は少ないかもしれませんが、「農業×テレワーク」のような成功事例がたくさん積み重なることで、人はようやく動き出す。

そうした小さな一歩一歩が、人にやる気を起こさせる「熱意の火起こし」になるはずです。

その意味において、観光がトリガーとなって地域に人が来たり、投資を呼び込めたりする可能性は大いにあります。

「地方創生」「地域創生」を目指すなら、行政も地域の事業者も、皆がこの視点を意識して取り組むべきだと思います。

【この対談の2回目】
「漁師と一緒に魚を獲って"漁師メシ"も食べられる?」地域でできる「ホンモノ体験」こそ"地方大復活"のカギだ

【この対談の3回目】
→「西麻布のラウンジより、地元で家族とキャンプのほうがかっこいい」東京のエリート層で静かに起こる"大変化"
鈴木 信吾 『日本一わかりやすい地方創生の教科書』著者・「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」受賞

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すずき しんご / Shingo Suzuki

株式会社イマクリエ代表取締役。神奈川県出まれ、青山学院大学卒業。2007年に株式会社イマクリエを創業し、東日本大震災を機にテレワークを導入。社員全員がフルリモートで働く「完全テレワーク型事業モデル」を確立した。テレワークを活用した雇用創出・企業誘致等の地方創生支援事業を行なうほか、企業向けにテレワークを活用したアウトソーシング事業を展開する。2022年度「地方創生テレワークアワード 地方創生担当大臣賞」を受賞。同年「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞。

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永谷 亜矢子 立教大学客員教授 株式会社an代表取締役

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ながや あやこ / Ayako Nagaya

大学を卒業後、リクルートに入社し広告営業、企画、雑誌の編集に携わる。2005年、東京ガールズコレクションの立ち上げから関わり、イベントプロデュースやPR、社長業を兼任。2011年より吉本興業で海外事業、エンターテイメント事業のプロデュースを担い、2016年に株式会社anを設立。企業&中央官庁、自治体へのマーケティング、PRコンサルタント、施設やイベントからメディアまでの様々なプロデュース業を担う。2018年より立教大学経営学部客員教授。2019年よりナイトタイムエコノミー推進協議会の理事に着任。以降、観光庁、文化庁など有識者やアドバイザー、現在も富山県、富士吉田市はじめ8自治の地域創生事業にハンズオンで長期的に携わっている。

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