米やトマト生産につながる「宇宙ビジネス」の実態 農業のほか漁業でも進む「衛星データ」の利活用

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そのため、パーム油の持続可能な調達に日清食品は積極的に取り組んでいます。その一環として、現在、パーム油を納入している可能性がある搾油工場と、その周辺のエリアで森林・泥炭地破壊リスクを検出・分析するために、衛星データが活用されています。

SDGsの観点からも衛星データは重要

近年、日清食品HDが発行する統合報告書では、衛星データを活用した森林監視の記載が続いています。

宇宙ビジネス
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そして、パーム油以外にも、森林破壊や生物多様性の損失が危惧されるような原料の調達を削減する動きが、持続可能性の観点から企業の社会的責任として叫ばれるようになっています。

また、農業由来の温室効果ガス(GHG)排出量・炭素除去量算定にも、衛星データの利用事例があります。

例えば、農業分野での衛星データ利用事例を多く保有するサグリは、キリンホールディングスに対してサプライチェーンにおける農地の炭素貯留量予測サービスの提供を開始したことを発表。大麦の供給業者とも協業し、ビールの原料である大麦を栽培する農地における炭素貯留量の予測を実施しています。

このように、広範囲に遠隔地の情報を、定期的かつ客観的に得られる衛星データは、その評価ツールとしても、今後の活用拡大が期待されます。

中村 友弥 宇宙ビジネスメディア「宙畑」編集長

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なかむら ともや / Tomoya Nakamura

1991年、熊本県熊本市生まれ。熊本県立済々黌高等学校を経て、一橋大学法学部を卒業後、株式会社オールアバウト入社。
個人活動として2017年に宇宙に特化した宇宙ビジネスメディア「宙畑」の立ち上げに関わり、2018年に宙畑が衛星データプラットフォームTellusのオウンドメディアとなったタイミングで編集長に就任。宇宙ビジネスを分かりやすく伝える記事の企画・編集、100件を超える宇宙関連企業や宇宙ビジネスに関わる個人へのインタビューを実施しながら、衛星データを利用した海釣りやロケ地探しなど、自らも宇宙技術を活用しながらそのノウハウを公開。
2019年には宙畑の立ち上げメンバーと株式会社sorano me(代表取締役社長:城戸彩乃)を共同創業し、宇宙技術の利活用促進に従事。

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