貧困国で頻発「少年の年齢詐称」億をせしめる手際 14歳の少年が19歳と判明…大胆な嘘をつく背景

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らには、日本時間の1月15日に、桐朋高校から直接メジャー挑戦する森井翔太郎選手(18)が、アスレチックスと契約金151万500ドル(約2億3600万円)で契約を結んだ。

ドミニカ共和国でお金を稼ぐためには、起業をしたりアカデミックな道に進むよりも、野球に打ち込んだほうが可能性は高いのだ。

そんなドミニカ共和国では、16歳が最も価値が高くて、17歳、18歳と年齢を重ねるごとに契約金が下がると言われている。

私がドミニカ共和国のアカデミーに滞在していた時は、22歳だったのだがおじさんという扱いを受けていた。森井選手は18歳と、すでに契約金が下がる年齢だが、突出する能力の高さと日本社会の特性上、18歳だが高く契約されていると推測している。

横行する年齢詐称

だからこそ、ドミニカ共和国では年齢詐称が頻発している。

実際にあるニュースが全米を震撼させた。それはパドレスと契約直前だった14歳の選手に対して、MLBが調査を行ったところ、実際は19歳だと判明したのだ。報道によると、パドレスはこの選手を将来300万ドル(約4億5000万円)で獲得することで口約束の合意をしていたが、これを白紙にしたという。

2024年には、年齢詐称のためにドミニカ共和国のアカデミー出身の選手50人が契約を取り消されたと報じられた。

ドミニカ共和国には、19歳のようなパワーを持った14歳が数多く存在しているし、実際にそのような選手が大金を稼いでいる。しかし、そこまで年齢詐称が横行しているとは、なかなか信じられないことだ。

また、年齢詐称だけではない。ドミニカ国内のアカデミーにおいて、ドーピングにより14歳の少年が死亡する心苦しい事件が起こった。

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