貧困国で頻発「少年の年齢詐称」億をせしめる手際 14歳の少年が19歳と判明…大胆な嘘をつく背景

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②ワンランク下の、①のアカデミーへの移籍を目指すアカデミー

2つ目のアカデミーは、①のアカデミーよりワンランク下のアカデミーだ。選手たちは①のアカデミーへの移籍を目指して、日々しのぎを削っている。

アカデミーと言うと学校のように思えるかもしれないが、移籍がある以上、そこには“金のやり取り”が発生する。①のアカデミーに所属する際に、高い選手で数億円にも及ぶ契約金が発生するのだが、そのおよそ半額以上をアカデミーが受け取る慣習があるのだ。

ドミニカの野球場
こちらは②のアカデミーの様子。ドミニカ国内でも2軍的なポジションだが環境はが充実しているところも多い。しかし、中にはそうでないところもある(筆者撮影)

ドミニカ共和国には②のアカデミーが数多く存在しており、多くの選手たちにメジャー球団へ所属するための可能性を提示している。ドミニカ共和国がメジャーリーガーを数多く輩出している背景には、間違いなく、メジャーの下部組織とは関係ないこの②の存在が密接にかかわっている。

前述の通り、そのアカデミーは育てた選手の契約金から手数料を得ることで運営している。だからこそ、アカデミーはなんとしても契約金を獲得するために選手を育成しなければならない。そして、手数料を得て、他の選手を育てることでお金を稼ぐサイクルを手に入れるのだった。

契約金は潤沢な資産を持つメジャーリーグの球団から支払われるため、自国の経済が豊かではないドミニカ共和国では賄えない金額を稼ぐことができる。自国では手に入れられないほどの大金をアメリカ合衆国から稼いでいるからこそ、多くのアカデミーが躍起になって選手育成に励むのだ。

価値が最も高いのは16歳

その契約金には年齢や能力によって大きな違いが出る。例えば、2024年12月8日にニューヨークメッツと15年総額7億6500万ドル(約1147億円)で契約合意して話題となったフアン・ソト外野手は16歳当時に、150万ドル(約1億4500万円!)で契約している。16歳で1億円以上なのだ。これをアメリカン・ドリームと言わずして、何がドリームだろうか。

一方で、現ソフトバンクホークス所属の上沢直之投手のマイナー契約が2万5000ドル(約370万円)であった。もちろん状況はまったく異なるが、 NPBで実績のある選手よりも16歳の少年が大金を稼げてしまうのだ。

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