｢しれっと訂正した文春｣フジとの"ズルい共通点" 批判の矛先が次は週刊文春に向かっているが…

一方、メディアからの発信を受ける私たちはどうすればいいのか。

週刊誌などの記事には不確かな情報が混じり、臆測を交えたものも少なくないことをわかったうえで接すること。さらに一方の報道や対応だけを信じて感情的な声をあげないことが大切ではないでしょうか。

たとえば今回のケースで言えば、初動対応で「関与していない」と発表したフジテレビを「嘘をつくな」と決めつけて批判するのではなく、「文春が間違えているかもしれない」という見方も持つべきでしょう。

それでもメディアの存在意義は大きい

さらに言えば、再会見のとき「『文春』に書いてあるんですよ！」などと声を荒らげていた記者たちは今、恥ずかしい思いをしているのではないでしょうか。

また、「中居氏の引退はフジテレビの陰謀論」をあげる有名人などもいますが、根拠に欠けるほか、名誉毀損の罪に問われないためにも一部の報道のみを信じすぎないことの大切さを感じさせられます。

ここまで1人の書き手として冷静かつ誠実であるように、自戒の念を込めて書いてきました。今回、フジテレビと週刊文春をめぐる問題でこれだけ記事やコメントが飛び交う事態になったのは両社を「それだけ信じていた」「できればこれからも信じたい」という人が多いことの裏返しでしょう。

事実、週刊文春には公共性・公益性の高い記事もありますし、フジテレビには誠実でスキルの高い社員たちもいます。

騒動の真相はまだわからず、両社が責められることがあるかもしれませんが、それでも健全な社会を作るうえでメディアは私たちにとって重要な存在。だからこそ私たちは刺激的なタイトルや内容に惑わされず、冷静な感覚と対応で向き合っていきたいところです。

著者フォローすると、木村 隆志さんの最新記事をメールでお知らせします。