不動産の問題については、これまでは経済成長率を上回るようなスピードで価格が上がっていたため、それを前提に経済が回ってきたという側面があります。それが今、ものすごく下がっているかというとそうではないのですが、少なくとも今までのようなペースで上がっていくことはもうないんじゃないかと人々が思い始めた。
そうすると、「不動産価格は上がっていく」という期待で成り立っていた経済が崩れる。例えば、不動産を買って、それを貸したり売ったりすることで老後の資金にするという人生設計がガラガラと崩れてしまうというわけです。結果として、しょうがないので消費を手控えるという現象が中国全体で起きているのだと思います。
輸出攻勢を続ける習近平政権が抱えるジレンマ
――中国政府は消費を喚起するために財政出動する姿勢をあまり見せません。なぜなのでしょうか。
これまでの中国の成功体験として、財政赤字を一定程度に抑えつつ、供給サイドを非常に重視してきました。EVをはじめとした世界の最先端産業において「製造強国」になる目標を掲げ、ある程度成功してきた。
供給力を上げて生産性を伸ばしていくことが至上命題であるという縛りがあるために、お金をばらまいて需要を支えましょうというマインドにならないのではないかと考えています。
――国内の消費が振るわない中で供給能力を強くすると、それを海外に向けざるをえないという話になります。実際、2024年に中国の貿易黒字が過去最大になりました。海外、とくにアメリカとの摩擦が懸念されますが、中国が輸出攻勢を続ける狙いは何でしょうか。
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