大人が知らないゲーム『スプランキ』の複雑な背景 多くの熱狂と不幸を生み出したネットのトレンド
前述のように『スプランキ』はMOD文化から生まれた。日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、PCゲームにおいてデータを改造して楽しむことはオンラインゲームでなければおかしくないし、自分なりに書き換えて遊ぶことはしばしばある。
そう、『スプランキ』自体のMODもいろいろと存在するのだ。キャラクターをマリオに差し替えたものだとか、ほかのマスコットホラーのキャラクターにしたものだとか、その品質はピンキリである。
メタバースとして有名な『Roblox』でも、『スプランキ』を題材にしたゲームが山のように出ている。いろいろな人が自分なりの「スプランキ世界」を作り出しているといえよう。そして、これがより複雑な状況を生み出していく。
“考察”が公式を退けて読者の読み取り方に影響を与える
自分たちなりに楽しむのはMOD制作者だけではない。ユーザーもまた2次創作や考察をして『スプランキ』を楽しんでいるのだ。
考察という言葉は辞書で調べると「物事をよく調べて明らかにすること」などと書かれているが、インターネットにおけるそれはまた異なる。あえて悪く書けば、勝手に深読みして都合のいいように読み取るものだといえよう。
『スプランキ』のキャラクターは、そもそもゲーム内ではそれぞれの名前すらよくわからない。作者がいくつかの設定を語っていたり、影響を受けた作品を挙げている程度のようだ。そういった状態からユーザーそれぞれが独自に“考察”して何が起こったのか、あるいはどういう関係性なのかを考え、楽しんでいるのである。
考察は今やインターネットの醍醐味の1つといえる。謎めいた作品があればそれを独自に解釈し、いかにおもしろく考えたのかを披露するような遊びになっているといえよう。オフィシャル側がそれを利用して盛り上がりにしている作品もたくさんある。
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