大人が知らないゲーム『スプランキ』の複雑な背景 多くの熱狂と不幸を生み出したネットのトレンド

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例えばオレンジのキャラクターを選べばバスドラムのパートが再生され、ピンクであればコーラスを奏で、コンピューターならば合成音声で歌ってくれる。これらを自由に組み合わせて自分なりの曲を作ろう、というわけだ。

なお、『スプランキ』はゼロから作られたわけではなく、『Incredibox』という音楽ゲームのMOD(いわゆる改造データ)として制作されている。つまり『Incredibox』のシステムを使い、ビジュアルやサウンドを差し替えているのである。

Incredibox
『Incredibox』はビートボクサーを選択することで自分だけの音楽を作成できるアプリ。これが『スプランキ』の大元となる(画像は『Incredibox』公式サイトよりキャプチャー)

『スプランキ』を制作したのは、タイ在住のNyankoBfLol氏。15歳の若さにして大ブームとなる作品を手掛けたわけで、かなりの功績といえよう。

ただ、「なぜこれが流行るのか?」と思う人がいるかもしれない。実際のところ、『スプランキ』は『Incredibox』のMODの1つに過ぎない。しかし、その裏には複雑な文脈があるのだ。

マスコットホラーとしての側面が一大ブームのカギ

確かに『スプランキ』は音楽作成ゲームなのだが、一方でホラーゲームとしての側面も持っている。

ホラーな状態になったスプランキたち
ホラーな状態になったスプランキたち。臓器が見えていたり、すでに死んでいたりと、いきなり不気味な世界設定になる(画像は『sprunki』よりキャプチャー)

黒いキャラクターを選択すると雰囲気は一変し、キャラクターたちはゾンビのようになる。曲もおどろおどろしくなり、コンピューターは「They are ALL DEAD」などと歌い出すのだ。

これこそ『スプランキ』が流行した重要なポイントとなる。かわいらしいキャラクターが突如恐ろしい存在になるのだが、これは「マスコットホラー」の文脈といえる。

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