「機密情報を生成AIで扱える」最新PCの重要な工夫 オンデバイスAIがパソコンのビジネスユースを変えるか

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機密データを社外に送らずに生成AIを活用できる新たな選択肢として位置づけられている。社内の極秘資料を扱う場面でも安心して使え、従業員の生産性向上に寄与する。さらにクラウドサービスの利用料金が不要なため、TCO(総所有コスト)の削減にもつながる。

もっとも、ローカルで動かすという特性上、AIモデルはクラウド型のChatGPTやGeminiに比べてコンパクトに最適化されている。そのため、高度な推論や複雑な質問への対応には一定の制限がある。

また現時点では、クラウド型に比べて応答速度が若干遅くなる場合もあるようだ。しかし、そうした制約を踏まえたうえで、オフィスでの日常的な文書作成や翻訳といった実務タスクに特化した設計になっている。

ソフトウェア設計上の工夫として、翻訳や要約に特化したモードを搭載した点が挙げられる。従来のAIチャットボットに必要だった「日本語に翻訳してください」といったプロンプト(指示)が、専用モードでは不要となる。あらかじめ第1言語と第2言語を設定しておけば、入力した文章が自動的に翻訳されるのだ。要約機能も専用ボタンを押すだけで一瞬で実行できる。オンデバイスで動作するため、例えば飛行機内などのオフラインの環境でも利用できる。

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コピペするだけで翻訳できるモードも搭載する(筆者撮影)

社内文書の作成でも、その恩恵は大きい。例えば長い議事録や報告書を要約するとき、専用ボタン1つでポイントを抽出できる。さらにアンサンブルチャット機能を使えば、異なる視点からの意見を得られる。「あなたは経営者の視点で」「あなたはマーケティング担当者の視点で」といった設定を組み合わせることで、文書の内容をより充実させることができる。

オンデバイスAIを活用した機能

このAIは24時間体制のITサポートとしても機能する。「画面の明るさを調整したい」「ショートカットキーを知りたい」といった基本的な使い方から、「Windows 11での設定変更方法」といった具体的な問い合わせまで、いつでも回答を得られるため、サポートに問い合わせする手間を大幅に軽減できる。

画面
ローカルAIの処理には、AI処理に特化したNPUも活用する。ビデオ会議やインターネット閲覧などほかの操作をしながらでもパフォーマンスを落とさず済む(筆者撮影)
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