【産業天気図・損害保険】影落とす保険金不払い。07年には巨大販売チャネルが登場

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9月に主に九州地方を襲った台風13号の保険金は業界で約1200億円に達し、過去6番目の支払額になった。その結果、06年9月中間期の自然災害による保険金は大手6社(東京海上日動火災保険=ミレアホールディングス<8766.東証>傘下=、損保ジャパン<8755.東証>、三井住友海上火災保険<8752.東証>、あいおい損害保険<8761.東証>、日本興亜損害保険<8754.東証>、ニッセイ同和損害保険<8759.東証>)で約900億円に上り、前年同期に比べ倍増。保険引受損益は東京海上日動、日本興亜、ニッセイ同和が赤字に陥った。資産運用面では保有株からの配当金収入は大幅に増えたものの、売却益が減り、経常利益は6社合計で26%減少した。
 ただ保険契約は、自動車保険が契約台数の増加に続き、補償範囲を手厚くした新商品が売り上げを伸ばしている。住宅着工数や企業の設備投資の恩恵を受ける火災保険、物流の増減が影響する海上保険なども増勢を守っている。通期ではミレア、あいおい、日本興亜、ニッセイ同和は経常増益を確保する見込みだ。一方、保険金不払いで金融庁から一部業務停止命令を受けた損保ジャパンと三井住友海上は経常減益を強いられる。両社とも営業より内部管理体制の整備などを優先せざるを得ないことが響く。
が、自動車保険や、医療など第3分野保険をめぐる保険金不払いは2社以外でも発覚し、金融庁の処分を待っている状況にある。仮に業務改善命令にとどまらず、一部でも業務停止処分が下されれば、各社とも業績は下振れする懸念をはらんでいる。ミレアは東京海上日動での、保険期間が10年を超える長期の第3分野保険の販売を07年4月に中止して傘下の東京海上日動あんしん生命へ移すことを決めたが、他社でも似た動きが続く公算が大きい。
 また、07年10月には「郵便局会社」が損保商品の販売に参入、12月には銀行窓販も全面解禁される。国内の自動車保険市場は成熟化しつつあり、第3分野保険や海外市場に成長の場を求めざるを得ない点は各社共通しているが、そのためには規模のメリットが必要になる。この新たな巨大な販売チャネルの登場が、業界再編を引き起こす契機になる可能性も増している。
【岡本享記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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