「No No Girls」オーディションが示した新たな形 ちゃんみなの「誰も諦めない」プロデュース哲学
このオーディションでは、どの審査でも一人ひとりに直接ちゃんみなが合否とその理由を伝えるのだが、その際不合格の理由として繰り返し言っていたのが、「時間がかかる」というものだった。
第5次審査から最終審査までは5カ月の長丁場。最終審査まで進めなかった20名の候補者にも、たっぷり成長のための時間をとったわけである。
「3つのNo」の意味、そして再チャレンジ組
『No No Girls』には、ポリシーとして「3つのNo」があった。「No FAKE(本物であれ=自己表現)」「No LAZE(誰よりも一生懸命であれ=自己理解)」そして「No HATE(自分に中指を立てるな=自己肯定)」。
これらを掲げた背景には、ちゃんみな自身の経験がある。デビューするまでちゃんみなもガールズグループのオーディションを受けたことがあったが、何度も落ちた。そこには、体形や個性などについて自分の意に添わぬことであっても、「大丈夫です」と言って従ってきた苦い思い出があった。
番組中でも、「自分はルッキズムと闘ってきた」と候補者に語る場面があった。それを踏まえ、「さまざまな場面で『No』と言われてきた人たちを救いたい」とちゃんみなは考えたのである。まさに、いまの時代に求められるオーディションと言っていい。
だから募集に際しても、「身長、体重、年齢はいりません。ただ、あなたの声と人生を見せてください」というちゃんみなからのメッセージが添えられた。実際、年齢などが番組のなかでテロップ表示されることはないし、会話の中で触れられることもない。オーディション番組では極めて珍しいことだろう。
ちゃんみなのメッセージにも触発され、他のオーディションからの再チャレンジ組もかなりいた。
なかでも『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』、通称「日プ女子」からは30名のなかにSAYAKA、KOKONA、MOMOKAの3名が残っていた。「日プ女子」には、ちゃんみながラップの特別トレーナーとして出演した縁もある。
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