30年前にできた仕組みに縛られている
倉沢美左(以下、倉沢):SKY-HIさんは、従前から日本の音楽業界の問題点というか、CDに過度に依存しているビジネスモデルに問題があるということをおっしゃってきましたが、BMSGを立ち上げて4年経って状況はどう変わりましたか。
SKY-HI:徐々に変わっていると思います。音楽業界は20〜30年間、構造上どうしようもないシステムが続いてしまっていて、自分がプレイヤーをやっている時もビジネス的に不合理や不条理がすごく多かった。でも、そういう話をしたときに「こういうものだからしょうがない」という話を業界の人たちからは聞いていた。
今、日本にあるCDプレイヤーって5万〜10万台くらいじゃないかと思うんですよね。国内で今一番需要がありそうなVaundyとか米津玄師とかの枚数を見ているとそれくらいの気がします。レコードとかはコレクティブとして集める人はいますが、すでに終わっているメディアなんです。
それでも30年間、レコード会社はそこから予算を作るということを変えられてない。これは業界全体が大企業病というか、そういう仕組みが出来上がってしまっているから変えようがないと思っているからで、そこから予算を出してミュージックビデオや宣伝を作りましょう、となるとそれは年々(予算が)減っていきますよ。どんなにいい曲を作っても、どんなにヒットしても予算は減っていく。