「年収103万円の壁」をめぐる議論に注目が集まっているが、会社員はいったいどのぐらいの給与をもらっているのだろうか。東洋経済オンラインでは30歳社員の年収を推計。全国トップ500社のランキングを公開する。
対象としたのは『会社四季報』に掲載している上場企業約3900社のうち、単体の従業員数が10人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業などを除いた3275社。
『会社四季報』2024年夏号での調査データや、厚生労働省が調査・公表している「賃金構造基本統計調査」などを基に試算した。
業種分類ごとに賃金カーブ(賃金の伸び率)を算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて金額を推計した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
大卒総合職ばかりの企業と、製造現場があるメーカーとでは給与の仕組みが違うことや、男女の賃金格差が存在するが従業員の平均額としていることに留意が必要だ。
純粋持ち株会社では中枢機能を担う少数の社員だけが在籍しているケースがあり、大多数が在籍する主要子会社と年収が大きくかけ離れていることがある。こうした純粋持ち株会社については原則としてランキングの対象から除外している。従業員数、年収、年齢で欠落データがある企業も一部除外している。
また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
総合商社が上位にランクイン
全国1位は、M&A仲介大手のM&Aキャピタルパートナーズ(2340万円)。2位はキーエンス(1818万円)だった。大阪に本社を置き、全国的にも知られる超高給企業で、FAセンサーが主力のメーカーだ。
トップ10には総合商社が多くランクインし、3位三菱商事(1681万円)、5位三井物産(1537万円)、6位伊藤忠商事(1418万円)、7位住友商事(1405万円)という順になっている。こうした待遇面での魅力も、根強い就職人気につながっている。
30歳で超高給プレーヤーになれるのはごく一部の企業に限られる。本ランキングで30歳推計年収が1000万円以上となったのは31社だった。