「日本と大違い」24年アメリカのヒット映画TOP10 これから日本で公開される作品も上位ランクイン

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また、女性たちの間では、ブレイク・ライヴリー主演の『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』がスマッシュヒットした。同作は、ベストセラー小説の映画化で、ロマンチックコメディのように始まるが、そのうちシリアスな事柄に焦点を当てていく問題作。2500万ドルの予算に対し、北米興収は1億4800万ドル、世界興収は3億5000万ドルで、大きな利益を上げた。

原作はもう1冊あり、ストーリーは1作目のすぐ後から始まるので、本来なら今すぐにでも続編の製作に入りたいところだが、思わぬ障害が発生。プロデューサーを兼任するライヴリーと、監督兼お相手役のジャスティン・バルドーニがとんでもなく不仲で、ライヴリーはバルドーニと2度と組みたくないらしいのだ。

しかし、原作の映像化権はバルドーニが所有している。せっかく1作目が成功し、ファンもスタジオも次を待っているというのに個人的な理由で実現しないのだとしたら、ハリウッドではかなり異例で、残念なことである。

ケビン・コスナーの大プロジェクトはつまずく

事情はまるで違うが、ケビン・コスナーが主演、監督、プロデューサーを務める『Horizon: An American Saga』の続編も、未来は暗い。コスナーが身銭も切ったこの情熱の作品は、4本で完結するという大プロジェクト。しかし、1億ドルをかけた1作目は、6月に北米公開されると、わずか2900万ドルしか売り上げなかった。

これを受けて、8月に予定されていた2作目の公開は無期延期に。コスナーは今も3、4作目を作るつもりでいるが、「どうすれば実現できるかわからない」と語っている。

『Horizon』に加え、期待外れとなった今年の主な映画には、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』、『マダム・ウェブ』、フランシス・フォード・コッポラ監督の『Megalopolis』などがある。思わぬヒットもあれば思わぬ失敗もあるのは、映画界の宿命。来年はどんな映画が、どんなサプライズをくれることになるだろうか。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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