自民党の惨敗を招いた「2000万円問題」の"厚顔" 赤旗「非公認に2000万円」報道で情勢が一変
その一方で維新は近畿ブロックでは自民を上回り「比例第1党」を堅持したものの、全体では前回から294万票(36.6%)減の510万票と振るわず、比例票では国民民主に「野党第2党」の地位を奪われた。また、れいわは前回比71.7%増の380万票となり、共産党を上回った。
その共産は今回、小選挙区の候補者を増やして比例票の掘り起こしを図ったにもかかわらず、19.3%減の336万票にとどまるなど明暗が際立った。さらに、衆院選初挑戦の参政党は187万票、日本保守党は114万票で、いずれも複数の議席を獲得し、日本保守党は得票率が2.1%となり、政党要件を満たした。
こうした結果をみると、今回衆院選では自民と公明の得票減少分を、国民民主とれいわ、さらに新参入の参政、保守両党が奪い、立憲民主の得票はほとんど横ばいだったことは明らか。大躍進した立憲だが、自公両党の得票減で相対的に議席が急増したのが実態といえる。
「国民をなめたような自民の態度」が惨敗の要因
多くの選挙アナリストは「立憲大躍進の最大の要因は、『2000万円』問題発覚による自民票の急減で、それさえなければ、与党過半数割れはあり得なかった」と分析している。だからこそ、自民党内からも「誰が密告したかという問題だけでなく、『非公認候補は使えない資金だ』などと反論した石破首相や森山幹事長の居丈高な対応が、事態をさらに悪化させた」(自民長老)との声が広がるのだ。
もちろん、今回の「2000万円」支給問題は、公職選挙法などで義務付けられている政治資金収支報告でいずれ明らかになることは間違いない。ただ、「それは来年の次期参院選以降の話」(自民事務局)とされるだけに、自民党内から「『2000万円』さえなければ、与党過半数割れなどなかったのに」(閣僚経験者)との“嘆き節”も漏れてくる。しかし、「そういう国民をなめたような態度が、今回の惨敗の最大の要因」(政治ジャーナリスト)としか言えそうもないのが今回衆院選の実態だ。
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